とぼ)” の例文
信順は平素命じて酒を絶たしめ、用帑ようどとぼしきに至るごとに、これに酒を飲ましめ、命を当局に伝えさせた。戸沢は当局の一諾を得ないでは帰らなかったそうである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
天正十八年八月に家康は江戸に入つて、用水のとぼしきを憂へ、忠行にはかつた。忠行乃ち仁治中北条泰時の故智を襲いで、多摩川の水を引くことを策した。今の多摩川上水が是である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)