梅田着の上り列車で同志会総理加藤高明男が南海遊説の帰途かへりみちに大阪へ立寄るといふので、まだ薄暗い朝靄あさもやのなかから、一等待合室へ顔を出した待受まちうけの三人衆、一人は北浜花外楼きたはまくわぐわいろう女将おかみ