じつにそれほどなご不沙汰だったのだ。しかしそこでは青野季吉あおのすえきち氏や前田河広一郎まえだこうひろいちろう氏、満谷国四郎みつたにくにしろう氏とも知って忘れ難い私の文筆始めの旧地である。すべてきのうみたいな気がする。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)