清盛の父の刑部卿忠盛ぎょうぶきょうただもりが住んでいた土塀まわり小一町しかの古邸ふるやしきが、六条の河原へ向って、寒々とあったに過ぎなかったのが——今はどうして平氏の眷族けんぞくたちも皆、近くに土木建築を興したので
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)