典型タイプ)” の例文
所謂青年としての典型タイプといふか、立派な青年はどういふ青年かといふイメージで、それが非常にぼんやりしてゐるやうに思はれるのです。
勤労と文化 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
始終良心に攻められて居る樣な顏をして實際も多少は攻められながら萬人の行く大道を利口に先走りする典型タイプだなと相島は益〻皮肉になる。
半日 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
われわれはそれを排斥したのであるが、本当に生きてた異常な一典型タイプのうちにパリーは、ギリシャの赤裸とヘブライの潰瘍かいようとガスコーニュの悪謔あくぎゃくとを結合している。
それに安住したら一つの仕事をしとげる氣で居て一生涯安住の地なんぞは見もしないで死んじまふ典型タイプだと思ふんです
半日 (旧字旧仮名) / 有島武郎(著)
そしてその中に、ラーペの仲仕からモンフォーコンの屠獣者とじゅうしゃに至るまであらゆる奇体な典型タイプが群がっている。町の掃きだめとキケロは叫び、憤ったバークは愚衆と言い添える。