六方者むほうもの)” の例文
ふたりの六方者むほうものを連れた小次郎の姿が、肩で風を切って、平河天神の鳥居の外へ消えてゆくまで——物陰から北条新蔵は見送っていた。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これくらいなことに恐れるようでは、剣術の稽古などはしないがいい。お前らは、六方者むほうものだの伊達者だてものだのといわれて、ややもすると、喧嘩するではないか」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
六方者むほうものは、単純である。市井の事々は複雑だが、その中を、単純に生きようというのが、男だてである。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)