しかも他の一方には若狭の八百比丘尼はっぴゃくびくにのごとく、玉椿の枝を手に持って、諸国を巡歴したという旅人はあったのである。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
私が次に説こうと思う若狭の八百比丘尼はっぴゃくびくにもその一つなれば、また車僧七百歳というのも有名であった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
椿もまた特別の樹木の一つとして、社にえ家に移し、いわゆる園芸の先駆をなした上に、若狭わかさ八百比丘尼はっぴゃくびくにのごとき廻国の伝道者が、手に持つ花の枝も多くは椿であった。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)