信夫郡しのぶごおり)” の例文
岩代いわしろ信夫郡しのぶごおり住家すみかを出て、親子はここまで来るうちに、家の中ではあっても、この材木の蔭より外らしい所に寝たことがある。不自由にも次第に慣れて、もうさほど苦にはしない。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
母はその年に生まれたわたくしと、三つになる姉とを連れて、岩代の信夫郡しのぶごおりに住むことになりました。そのうちわたくしが大ぶ大きくなったので、姉とわたくしとを連れて、父を尋ねに旅立ちました。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)