或時あるときに大阪から妙な女が来たことがあるその女と云うのは、私共が大阪に居る時にやしき出入でいりをする上荷頭うわにかしら伝法寺屋松右衛門でんぽうじやまつえもんと云うものゝ娘で、年の頃三十ぐらいでもあったかと思う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)