代地河岸だいちがし)” の例文
一歳ひととせ浅草代地河岸だいちがし仮住居かりずまいせし頃の事なり。築地より電車に乗り茅場町かやばちょうへ来かかる折から赫々たる炎天俄にかきくもるよと見る間もなく夕立襲い来りぬ。
夕立 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
兼太郎は番台越しに女湯で着物をぬぎかける女の中に、小作りのぽっちゃりした年増盛としまざかりのお妾らしいものを見ると、以前代地河岸だいちがしに囲って置いた自分のお妾の事を思い出すのである。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)