仔鹿かよ)” の例文
そして、太い刺叉さすまたが二本、その両側に立てられていて、その上の鉄棒には、首を打ち落された仔鹿かよの胴体が結びつけられてあった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そこには、腐爛しかかった仔鹿かよの首から、排泄物のような異臭が洩れていて、それがあの堪えられぬ、産の苦痛を滝人に思い出させた。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それであるから、仔鹿かよの形は、ちょうど置燈籠を、半分からち割ったようであって、いくぶんそれが、陰惨な色調を救っているように思えた。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)