椽木たるき割賦わりふり九輪請花露盤宝珠くりんうけばなろばんはうじゆの体裁まで何所に可厭いやなるところもなく、水際立つたる細工ぶり、此が彼不器用らしき男の手にて出来たるものかと疑はるゝほど巧緻たくみなれば、独りひそかに歎じたまひて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)