御宗祖丹後守高次たんごのかみたかつぐ公の御愛臣にて島田重左衛門しまだじゅうざえもんと申す者にございましたが、故あって慶長十五年七月、高次公より五千金を拝領のうえ武士をめ、大阪に出て唐船物売買を始めたとござります
入婿十万両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)