上清じょうせい)” の例文
上清じょうせいが店の蚊遣香かやりこう懐炉灰かいろばいに座をゆづり、石橋の田村やが粉挽く臼の音さびしく、角海老かどえびが時計の響きもそぞろ哀れのを伝へるやうになれば
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
つぎに上清じょうせいの所在を訊いた。同じく反対の側の、その時計屋よりやや手まえの葛籠屋がそのあとだと教えてくれた。厚く礼をいって、いさんでわたしたちは馬場先生のそばへ引っ返した。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)