三栖紙みすがみ)” の例文
江戸絵を貼った屏風びょうぶをうしろにして、若い旅人が白い腕をまくっていると、若い遊女が紅さした口に水をふくんで、これを三栖紙みすがみにひたして男の腕を拭いています。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
綾衣の膝からすべり落ちた三栖紙みすがみは白くくずれて、彼女は懐ろ手の襟にあごを埋めた。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
綾衣は厚い三栖紙みすがみを膝に突いて摺り寄った。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)