一羽雁ひとはがり)” の例文
で、深く注意もしなかったが、外に待っていた男は、編笠をかぶり、背丈せいもすがたも、離室に逗留とうりゅうしている若い武家とちがいなかった。殊に、その紋までが、同じ、丸の一羽雁ひとはがりであった、という。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)