一伍一什いちぶしじゆう)” の例文
蓮華寺を脱けて出ようと決心する迄の一伍一什いちぶしじゆう——思へば涙の種——まあ、何から話して可いものやら、お志保には解らない位であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
祖母は涙をこぼしながらも、落着いた言葉で、一伍一什いちぶしじゆうを話した……孫の雪子は學校通ひの途中で出會つてゐたある若い會社員に誘惑されて、今ではその家へ寢泊りしてゐるといふことだつた。
孫だち (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
と言つて、それから蓮太郎は聞いて来た一伍一什いちぶしじゆうを丑松に話した。高柳が秘密に六左衛門の娘を貰つたといふ事実は、妙なところから出たとのこと。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)