“ばくじょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
縛繩66.7%
麦城33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはり前述のごとき個性の放恣ほうしなる狂奔を制御するために個性を超越した外界から投げかける縛繩ばくじょうのようなものであるかと思われる。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その縛繩ばくじょうの許す自由の範囲内でせめてスターンバーグや、ルービッチや、ルネ・クレールの程度においてオリジナルな日本映画を作ることができないはずはない。
映画芸術 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
時、建安二十四年の十月で、この日、晩秋の雲はひくく麦城ばくじょうの野をおおい、雨とも霧ともつかぬ濛気が冷やかにたちこめた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ひとまず、麦城ばくじょうまで落ちのびましょう」と、関羽を護って、麓へ走った。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全土の戦雲今やたけなわの折に、この大将星がようとして麦城ばくじょうの草に落命するのを境として、三国の大戦史は、これまでを前三国志と呼ぶべく、これから先を後三国志といってもよかろうと思う。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)