“ぎょうしゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
凝集83.3%
凝聚16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは静かに、円周を描くようにひろがり、やがてじりじりと一点に凝集ぎょうしゅうし、はっきりとその形をあらわした。甲斐はじっと坐ったままでいて、やがて低く、口の中でささやいた。
亡妻への追慕、虚妄化された幸福、今の味気ない日常、世俗的な幸福への漠然たる嫉妬、それらの混然たる総量が、幻の痣を核としてぎっしりと凝集ぎょうしゅうしてしまったというわけでした。
Sの背中 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
彼の視野のなかで消散したり凝聚ぎょうしゅうしたりしていた風景は、ある瞬間それが実に親しい風景だったかのように、またある瞬間は全く未知の風景のように見えはじめる。そしてある瞬間が過ぎた。
ある心の風景 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)