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『妻』
ふりがな文庫
『
妻
(
つま
)
』
雨がやむと風もやむだ。小路の兩側の花々は倒れたまま地に頭をつけてゐた。今迄揺れつづけてゐた葡萄棚の蔓は靜まつて、垂れ下つた葡萄の實の先端からまだ雨の滴りがゆるやかに落ちてゐた。どこからか人の話し聲が久し振りに聞えて來た。 「まア、人の聲つて …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文藝春秋 第三年第十號」1925(大正14)年10月1日
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約6分(500文字/分)
朗読目安時間
約9分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
雄
(
をす
)
小路
(
こうぢ
)
雌
(
めす
)
韮
(
にら
)
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