「樋口一葉全集第二巻」後記「ひぐちいちようぜんしゅうだいにかん」こうき
この卷には、前卷(第一卷)を承けて、『琴の音』以下十四篇の小説を收めた。 この作、明治二十六年十一月の「文學界」に載つた。一葉、二十二歳のときで、そのときかの女は下谷龍泉寺町(俚俗大音寺まへ)に荒物と駄菓子の店をひらいてゐた。 この作を書い …