原始林の縁辺に於ける探険者げんしりんのえんぺんにおけるたんけんしゃune ode
Ⅰ 陽の眼を知らぬ原始林の 幾日幾夜の旅の間 わたくし熟練な未知境の探険者は たゞふかぶかと頭上に生ひ伏した闊葉の 思ひつめた吐息を聴いたのみだ。 たゞ蹠に踏む湿潤な苔類の ひたむきな情慾を感じたのみだ。 Ⅱ まことに原始林は 光なき黄金の …