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『塵』
ふりがな文庫
『
塵
(
ちり
)
』
塵だ。塵だ。おもしろい、不可思議な、無量無辺の塵だ。 大空を藍色に見せ、夕日を黄金色に沈ませ、都大路の色硝子に曇って、文明の悲哀を匂わせる。 広大な塵の芸術だ。 深夜の十字街頭に音もなく立ち迷うて、何かの亡霊に取り憑かれたかのように、くるく …
著者
夢野久作
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出
「新潮 30巻3号」1933(昭和8)年3月
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約5分(500文字/分)
朗読目安時間
約7分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
匐
(
は
)
咽
(
むせ
)
塵
(
ちり
)
戯
(
たわむ
)
朧
(
おぼろ
)