線路せんろ
カラリと晴れた冬のまひるであった。私は町へ出る近道の鉄道線路を歩いていた。若い健康な全身の弾力を、両方の掌にギュッと握り締めて左右のポケットに突込んで……。 静かな静かな、長い長い落ち葉林の間を中途まで来ると、行く手に立っていた白いシグナル …