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『ゾイラス』
ふりがな文庫
『
ゾイラス
(
)
』
海の遠鳴りをきゝながら私は、手風琴を弾いてゐた。そのダクテイルが、ひらひらと潮の音に逆つて低く高く青白い虚空を衝いて飛んで行くと、私の魂も夢も片々たる白い蝶々と化して、波を乗り越え、宙に翻つて、無何有の沖へ沖へと雪崩れを打つて消えて行つた。 …
著者
牧野信一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「文藝春秋 第十巻第十号」文藝春秋社、1932(昭和7)年9月1日
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約26分(500文字/分)
朗読目安時間
約43分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
古
(
オールド
)
牡馬
(
ドリアン
)
絶
(
き
)
蓋
(
かさ
)
詩
(
うた
)
容器
(
いれもの
)