丘の上おかのうえ
丘の上には、さびれた小さな石の堂があって、七八本の雑木が立並んでいた。前面はただ平野で、部落も木立も少く、農夫の姿も見えない、妙に淋しい畑地だった。遠くに一筋の街道が、白々と横たわっていた。その彼方、暗色に茫とかすんでる先に、帯を引いたよう …