うちを出て、もよりの省線の駅までゆく途中の焼跡にも、この頃はいろいろの露店が出はじめた。葭簀ばりの屋台も、いくつかある。 きのう、霜どけのぬかるみを歩いてその通りをゆくと、ちょうど八百やが露店を出していた。人参、葱、大根が並んでいる。鉢巻し …
| 著者 | 宮本百合子 |
| ジャンル | 産業 > 農業 > 農業経済 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
| 初出 | 「サンデー毎日」1946(昭和21)年2月3日号 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約11分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約17分(300文字/分) |