家邸いへやしき)” の例文
なるほど銀行家の家邸いへやしきを買つたと云ふだけあつて、御影石みかげいしの門柱には、鉄格子の扉がついて、玄関まで砂利じやりが敷きつめてある。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
うちつて彼是かれこれまぎれてゐるうちに、はや半月はんつきつたが、地方ちはうにゐる時分じぶんあんなににしてゐた家邸いへやしきことは、ついまだ叔父をぢさずにゐた。あるとき御米およね
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
をさめてそのあとが八十四五へう程も取入ます大凡おほよそ家邸いへやしき五百兩諸道具が三百兩餘りかゝへの遊女が十四五人是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それは世間せけんからると、人數にんずすくなし、家邸いへやしきつてゐるし、らくえるのも無理むりのないところでせうさ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)