“頬辺”のいろいろな読み方と例文
旧字:頬邊
読み方割合
ほっぺた71.1%
ほッぺた6.7%
ほおぺた4.4%
ほつぺた4.4%
けふへん2.2%
ほうぺた2.2%
ほおべ2.2%
ほほべ2.2%
ほゝのあたり2.2%
ほゝぺた2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
チチッ、チチッ、一人でお食べなと言ってもかない。頬辺ほっぺたを横に振ってもかない。で、チイチイチイ……おなかが空いたの。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
治平は少し色気がありまして、何となく間が悪いから煙管であごの処を突衝つッついて見たり、くるりと廻して頬辺ほッぺたへ煙管の吸口を当てたり、ポン/\と叩いて煙草ばかりんで居ります。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さんたる金剛石ダイヤモンドがぎらりと痛く、小野さんの眼に飛び込んで来る。小野さんは竹箆しっぺいでぴしゃりと頬辺ほおぺたたたかれた。同時に頭の底で見られたと云う音がする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ほつと吐息をして眼をつぶる、剃刀が頬辺ほつぺたやりと辷る……怪しい罪悪の秘密と淫蕩な官能の記憶とが犇々と俺の胸を掻き毮る……
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此時、ベンチにはボツ/\人の顔見えぬ、長谷川牧師は扉を排して入り来れり、浅き微笑を頬辺けふへんに浮べて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
相「これははやモウどうも、本当でごぜえますか、はやどうも、あのくれえなお嬢様は世間にはないと思います、頬辺ほうぺたなどはぽっとして尻などがちま/\として、あのくれえないお嬢様はたんとはありましねえ」
なお、かし本屋の店頭でもそうだし、ここでの紫の雨合羽に、ぬりの足駄など、どうも尋常ただな娘で、小説家らしい処がない。断髪で、靴で、頬辺ほおべが赤くないと、どうも……らしくない。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その頬辺ほほべを、澄代は指先でつっついた。それから、煙草の吸いさしを、だがさすが用心して火は消して……。
操守 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
中央の椅子にかゝりたる年既に五十にも近からんと思はるゝ麦沢教授、小皺こじわ見ゆる頬辺ほゝのあたりゑみの波寄せつ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
節穴が有ったから覗くと、意地えじの悪い穴よ、はすに上の方へ向いて、戸に大きな釘が出ていて頬辺ほゝぺた掻裂かぎざきイした
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)