“雌雄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゆう57.4%
めすおす19.7%
めお8.2%
めを8.2%
めすをす3.3%
つがひ1.6%
ふうふ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「新田勢のこよいの攻め方は、これまでのようではない。逆軍の義貞も今やあせって、気短に、雌雄しゆうをわれと決せんとするものか」
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
勿論、狼にも雌雄めすおすはあるが、いくら雌でも女のような顔はしていないだろう。こう云うときには色々の噂が立つものだ。はははははは。
人狼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それからこれとやや似た問題で、二つのへびを持ってきて雌雄めおをくべつして見よといったこと、これは印度いんどでできたという『雑宝蔵経ぞうほうぞうきょう』にも出ている。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
われおもふに、君は男の身をあやまり射給ひしのみにあらず、女の心をも亦錯り射給ひしなり。雌雄めをは今ならび飛ぶべし。君は唯だこゝにいませ。自由なる快活なる生計たつきなり。
「この河鹿かじかは皆をすに候。めすはあとより届け候。もつと雌雄めすをすとも一つ籠に入れぬやうに。雌は皆雄を食ひ殺し候。」
貝殻 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「いかに方々かた/″\御前ごぜんまをし、何某殿なにがしどの御内室ごないしつをも一所いつしよ此中このなかまをさむか、雌雄つがひならでは風情ふぜいなくさふらふ」などと散々さん/″\
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ここにこの里の荘官しょうやの家に、月丸つきまる花瀬はなせとて雌雄ふうふの犬ありけり。年頃なさけかけて飼ひけるほどに、よくその恩に感じてや、いとも忠実まめやかつかふれば、年久しく盗人ぬすびとといふ者這入はいらず、家は増々ますます栄えけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)