“際(ま)” の例文
「家ゆ出でて三年がほどに」、「痛足(あなし)の川ゆ行く水の」、「野坂の浦ゆ船出して」、「山の際(ま)ゆ出雲(いづも)の児ら」等の用例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
己酉(つちのととり)(二十八日)……さらに日本(やまと)の乱伍(らんご)、中軍(ちゅうぐん)の卒を率いて進みて大唐の軍を伐(う)つ。大唐、便(すなわ)ち左右より船を夾(はさ)みて繞(めぐ)り戦う。須臾(とき)の際(ま)に官軍(みいくさ)敗績(やぶ)れぬ。水に赴(おもむ)きて溺死(しぬ)る者衆(おお)し。
金将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
み吉野(よしの)の象山(きさやま)の際(ま)の木(こ)ぬれには、こゝだも さわぐ鳥(とり)のこゑかも
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「山の際(ま)ゆ出雲の児等は霧なれや吉野の山の嶺に棚引く」(巻三・四二九)というので、当時大和では未だ珍しかった火葬の烟(けむり)の事を歌っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
人麿が土形娘子(ひじかたのおとめ)を泊瀬(はつせ)山に火葬した時詠んだのに、「隠口(こもりく)の泊瀬の山の山の際(ま)にいさよふ雲は妹にかもあらむ」(巻三・四二八)とあるのは、当時まだ珍しかった
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)