“野蔦”の読み方と例文
読み方割合
のづた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
参謀本部下の堀端ほりばたを通りながら眺めると、閑地のやや小高こだかくなっている処に、雑草や野蔦のづたおおわれたまま崩れた石垣の残っているのが見える。
土塀の崩れた土から生えた灌木やすすきの茂りまたは倒れた石の門に這いまつわる野蔦のづたの葉が無常を誘う夕風にそよぎつつ折々軽い響を立てるのが何ともいえぬほど物寂しく聞きなされた。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)