“野兎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のうさぎ80.0%
やと20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
馭者台ぎょしゃだいには野兎のうさぎが長い耳をたらしてぶらさがっていたが、これは遠方の友人がこれから行われる饗宴きょうえんのために贈ったものであろう。
駅馬車 (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
森の奥から火を消すばかり冷たい風で、大蛇だいじゃがさっと追ったようで、遁げたてまいは、野兎のうさぎの飛んで落ちるように見えたということでございまして。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
松と松とのを、野兎やとのごとく逃げ走ッていった男の影は見失ったが、その代りに、楊志は、思いがけない一トかたまりの旅商人たびあきんどの仲間に出会った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて土旋風つちつむじの運んで来た人声やら馬蹄の音が、欅林の中にもけむり出した。将門とその家人に追われて来た扶方の伏兵共が、狩られる野兎やとのように、あっちこっちへ逃げまどうのであった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)