しゆう)” の例文
なんためわたしだの、そら此處こゝにゐる不幸ふかう人達計ひとたちばかりがあだか獻祭けんさい山羊やぎごとくに、しゆうためこゝれられてゐねばならんのか。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
勘次かんじはそれをくにへないで、かれかぎつて自分じぶん與吉よきちいて自分じぶんうちへとやみなかぼつした。わかしゆうは三にん後姿うしろすがた
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
この居士こじかほばうさんらしいので、時々とき/″\僧堂そうだうしゆうまじつて、むら御齋おときなど出掛でかけることがあるとかつて宜道ぎだうわらつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おゝ金子かねだ、大層たいそうつてやアがるナ、もう死ぬとふのでおれ見舞みめえつてやつたから、金兵衛きんべゑさんにこれだけ残余あとはお長家ながやしゆうへツて、施与ほどこしでもするのか
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さうだよ。追放の軍人だから面白いンだ。かうした軍人あがりは、気合をかける事は板についてゐるからね。すべて、烏合うがふしゆう相手には、高飛車たかびしやな気合だけなンだ……」
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
老人しゆうにむかひ、あるじはかならず此下にるべし、いざれほらんとて大勢一度に立かゝりて雪頽なだれくだきなどしてほりけるほどに、大なるあなをなして六七尺もほり入れしが目に見ゆるものさらになし。
参宮さんぐうしゆうにかあらむ、たびびとの
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)