“施与”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほどこし53.3%
せよ46.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ああ、少年は火葬場に骨拾いに来る人を待ち受けて施与ほどこしを貰うために、この物淋しい月の夜をこんなところに彷徨うろついているのだ。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
施与ほどこしということは妙なもので、ほどこされた人も幸福しあわせではあろうが、施した当人の方は尚更心嬉しい。自分は饑えた人をつかまえて、説法を聞かせたとも気付かなかった。
朝飯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
東国の逆乱もすみやかな静謐せいひつを見、相共によろこばしい。さっそく将士の軍功の施与せよは、綸旨りんじの下に、朝廷でおこなうであろう。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なかまの者と争いが生じ、その者のために両眼を突きつぶされたので、その日の食にも窮していると申し、泣いて施与せよを乞うたと書いてございました。