“蜈蚣”の読み方と例文
読み方割合
むかで100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蜈蚣むかで衆のことなら存じおる。戦時にありては物見使番、平時にありては細作となって、敵国に潜入、隠密をつとめ、腕を揮ったということじゃ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そこで、筒をひらくと、一尺ばかりの蜈蚣むかでが這い出して、旅人のからだを三度廻って、また直ぐに几の上にかえって、暫くして筒のなかに戻った。
蜈蚣むかでの、腕ほどもあるのがバサリと落ちて来たり、絶えずかさにあたる雨のような音をたてて山ひるが血を吸おうと襲ってくる。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
大津に入るあたりで三上山を見た。彼の田原藤太が射た大蜈蚣むかでの住みかだと思うと、黒くしげった山の様を物凄く感じた。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
侍女二 長う太く、数百すひゃくの鮫のかさなって、蜈蚣むかでのように見えたのが、ああ、ちりぢりに、ちりぢりに。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蜈蚣むかでと、蚯蚓みみずと、毛虫とが、一緒に襟元に飛びこんだみたいよ。おう、気色きしょくる。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
それは、右は山左は海の、狭い崖端がけはなを、蜈蚣むかでか何かのようにのたくって行く軽便鉄道である。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
そうして岸には長いオール蜈蚣むかで見たいにそろえた細長の独木舟オックダアが幾隻か波に揺られて、早くも飛び込むと持場持場を固めるオロチョンギリヤークの青年たちも勇ましかった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
『想山著聞奇集』五に、蚯蚓みみず蜈蚣むかでになったと載せ、『和漢三才図会』に、蛇海に入って石距てながだこに化すとあり、播州でスクチてふ魚海豹あざらしに化すというなど変な説だが
お醫者さんに見てもらふと、お酒のためぢやなくて、七卷半の、三上山の大蜈蚣むかでではないが
夏の夜 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)