蚕様こさま)” の例文
大切だいじの大切のお蚕様こさまが大きくなって居るのだ。然し月の中に一度雹祭ひょうまつりだけは屹度きっと鎮守の宮でする。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
実際、湯治とか保養とかいう人たちは別問題として、上州のここらは今が一年中で最も忙がしい養蚕ようさん季節で、なるべく湿れた桑の葉をお蚕様こさまに食わせたくないと念じている。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
桑はったか。桑つきが悪いはお蚕様こさまが如何ぞしたのじゃあるまいか。養蚕ようさん教師きょうしはまだ廻って来ないか。種籾たねもみは如何した。田のあらおこしもせねばならぬ。苗代掻しろかきもせねばならぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)