“處(ど)” の例文
新字:処
彼(かれ)は只(たゞ)涙(なみだ)がこみあげて止(と)め處(ど)もなく悲(かな)しくさうしてしみ/″\と泣(な)き續(つゞ)けた。勘次(かんじ)はそれを聞(き)いた瞬間(しゆんかん)肩(かた)の唐鍬(たうぐは)を轉(ころ)がしてぶつりと土(つち)を打(う)つた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
うつし世をはかなむかあはれ穴熊は檻(をり)の奧處(ど)にべそをかきゐる
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
一日(にち)さうして止(と)め處(ど)もなく駈(か)つて行(ゆ)く巨人(きよじん)の爪先(つまさき)には此(こ)の平坦(へいたん)な田(た)や畑(はた)や山林(さんりん)の間(あひだ)に介在(かいざい)して居(ゐ)る各(かく)村落(そんらく)の茅屋(あばらや)は悉(こと/″\)く落葉(おちば)を擡(もた)げて出(で)た茸(きのこ)のやうな小(ちひ)さな悲慘(みじめ)な物(もの)でなければならなかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
噛みさ噛み疾風は潮をいぶく處(ど)に衣も疊もぬれにけるかも
長塚節歌集:3 下 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)