“蕭然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうぜん42.9%
せうぜん21.4%
さみしくなる14.3%
しょんぼり7.1%
ひっそ7.1%
ひっそり7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渠(かれ)は山に倚(よ)り、水に臨み、清風を担(にな)い、明月を戴(いただ)き、了然たる一身、蕭然(しょうぜん)たる四境、自然の清福を占領して、いと心地(ここち)よげに見えたりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
余也(よや)固(もとより)浅学(せんがく)にして多く書(しよ)を不読(よまず)、寒家(かんか)にして書に不富(とまず)、少く蔵せしも屡(しば/\)祝融(しゆくいう)に奪(うばゝ)れて、架上(かしやう)蕭然(せうぜん)たり。
おもふに、人(ひと)散(ちれ)ば演場(しばゐ)の蕭然(さみしくなる)を厭(いと)ふゆゑなるべし。いづくにか出(いづる)所あらんと尋(たづね)しに、此寺の四方垣(かき)をめぐらして出べきの隙(ひま)なし。
その下にある中庭の直(す)ぐ傍(わき)の、薄暗い廊下を通って、小使部屋の前にくると内で蕭然(しょんぼり)と、小使が一人でさも退屈そうに居るから、弟も通りがかりに、「おい淋しいだろう」と談(はな)しかけて
死体室 (新字新仮名) / 岩村透(著)
艸花(くさばな)立樹(たちき)の風に揉(も)まれる音の颯々(ざわざわ)とするにつれて、しばしは人の心も騒ぎ立つとも、須臾(しゅゆ)にして風が吹罷(ふきや)めば、また四辺(あたり)蕭然(ひっそ)となって、軒の下艸(したぐさ)に集(すだ)く虫の音(ね)のみ独り高く聞える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と一際(ひときわ)蕭然(ひっそり)とする。時に隣座敷は武士体(さむらいてい)のお客、降込められて遅くなって藤屋へ着き、是から湯にでも入ろうとする処を、廊下では二人で窃(そっ)と覗(のぞ)いて居る。