蒲田屋かばたや)” の例文
蒲田屋かばたやおくかざつてあるやうな本當ほんたうのを、おもくてもかまいはしない、やつちよいやつちよいわけなしだと鉢卷はちまきする男子をとこのそばから、れではわたしたちがつまらない
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お前は余つぽど剽軽ひやうきんものだね、とて美登利は正太のほうをつついて、その真面目がほはと笑ひこけるに、おいらだつても最少もすこし経ては大人になるのだ、蒲田屋かばたやの旦那のやうに角袖外套かくそでぐわいとうか何か着てね
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
蒲田屋かばたや旦那だんなのやうに角袖外套かくそでぐわいとうなにてね、祖母おばあさんが仕舞しまつて金時計きんどけいもらつて、そして指輪ゆびわもこしらへて、卷煙草まきたばこつて、ものなにからうな、おいらは下駄げたより雪駄せつたきだから
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
茶番にしよう、何處のか店を借りて往來から見えるやうにしてと一人が言へば、馬鹿を言へ、夫れよりはお神輿みこしをこしらへてお呉れな、蒲田屋かばたやの奧に飾つてあるやうな本當のを、重くても搆はしない
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
茶番にしよう、何処どこのか店を借りて徃来わうらいから見えるやうにしてと一人が言へば、馬鹿を言へ、それよりはお神輿みこしをこしらへておくれな、蒲田屋かばたやの奥に飾つてあるやうな本当のを、重くてもかまいはしない
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)