芋刺いもざし)” の例文
譜本ふほんうたうたふやうに、距離きょり釣合つりあひちがへず、ひいふういて、みッつと途端とたん敵手あひて胸元むなもと貫通ずぶり絹鈕きぬぼたんをも芋刺いもざしにしようといふ決鬪師けっとうしぢゃ。
「落ちて来さえすりゃア、ボチャンとか何とか音がするだろう——万一舟か岸へい上がるようなら、竹槍で芋刺いもざしにするつもりで待っているが、一向音沙汰はねえぞ」
「落ちて來さへすれア、ボチヤンとか何とか音がするだらう——萬一舟から岸へ這ひ上がるやうなら、竹槍たけやり芋刺いもざしにするつもりで待つて居るが、一向音沙汰はねえぞ」
今朝麻布あざぶに不思議な殺しがあつたんですよ——六本木の大黒屋清兵衞の伜の清五郎が、軒の下に芋刺いもざしになつて死んでゐて、かゝうどの何んとかいふ娘に下手人の疑いが掛つたから
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
大振袖の紫のせて居るのも淺ましい限りですが、精巧のはかまは血に浸つて、前半に差した短いのはそのまゝ、細身の長い刀は、鯉口こひぐちでもきることか、自分の身體が芋刺いもざしになつてゐる癖に、さやごと二