“祕(ひ)” の例文
新字:秘
〔譯〕漸(ぜん)は必ず事を成(な)し、惠(けい)は必ず人を懷(な)づく。歴代(れきだい)姦雄(かんゆう)の如き、其祕(ひ)を竊(ぬす)む者有り、一時亦能く志を遂(と)ぐ。畏る可きの至りなり。
起(おこ)しけるは怖(おそ)ろしとも又類(たぐ)ひなし寶澤は此事を心中に深く祕(ひ)し其時は然氣(さりげ)なく感應院へぞ歸りける偖(さて)翌(よく)年は寶澤十二歳なり。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
モン長 予(わし)はもとより、親(した)しい誰(た)れ彼(か)れにも探(さぐ)らせたれども、倅(せがれ)めは、只(たゞ)もう其(その)胸(むね)の内(うち)に、何事(なにごと)をも祕(ひ)し隱(かく)して、いっかな餘人(よじん)には知(し)らせぬゆゑ
渉(わた)るべき處なきまで己が最初(はじめ)の故由(ゆゑよし)を祕(ひ)めたまふものに汝の負ふ稀有(けう)の感謝を指して請ふ 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼自身の無分別(むふんべつ)の結果である、祕(ひ)めた力を、彼女が彼の行動に及ぼしてゐるとしたら、どうだらう。
手筐(てばこ)の底に祕(ひ)め置きし瀧口が送りし文、涙ながらに取り出して心遣(こゝろや)りにも繰(く)り返せば、先には斯くまでとも思はざりしに、今の心に讀みもて行く一字毎に腸(はらわた)も千切(ちぎ)るゝばかり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
娘(むすめ)にも祕(ひ)め同氣(どうき)求(もと)むる番頭(ばんとう)の勘藏(かんざう)にのみ割(わつ)て明(あ)かせば横手(よこて)を
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わが二十幾年の孤獨の境涯底ふかく祕(ひ)められた黒い鐵櫃は
展望 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
なほ、祕(ひ)めつつむ花のふえ。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
祕(ひ)めし思を悼ままし。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
人(ひと)には祕(ひ)せよ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
と祕(ひ)しかくして宥(なだ)めてみつ賺(すか)してみつ意見(いけん)に手(て)を
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それさへ祕(ひ)めてえも見せじ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
靜かにさらば祕(ひ)めてとか
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
かくも忘れし祕(ひ)めごとや
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
そのをりにわが祕(ひ)めし玉
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
そのひとつ汝(なれ)には祕(ひ)めて
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)