硝子盃コツプ)” の例文
婿むこさんが、硝子盃コツプに、葡萄酒ぶだうしゆをおはかんなさるあひだ——えゝうよ。……お寝室ねまにはわたしと三にんきり。……だれ可厭いやだつて、看護婦かんごふさんさへおたのみなさらないんだそうです。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづを……みづをとたゞつたのに、山蔭やまかげあやしき伏屋ふせや茶店ちやみせの、わか女房にようばうは、やさしく砂糖さたうれて硝子盃コツプあたへた。藥師やくし化身けしんやうおもふ。ひとなさけは、ときに、あはれなる旅人たびびとめぐまるゝ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……義兄にいさんがおこゝろづくしの丸薬おくすりですわね。……わたし最初さいしよ見舞みまひつたとき、ことづかつてまゐりました……あのくすりを、お婿むこさんのから、葡萄酒ぶだうしゆちひさな硝子盃コツプあがるんだつて、——えゝ、先刻さつき……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)