目配めくばせ)” の例文
(案内して上げなはれ、い旦那や、気を付けて、)と目配めくばせをする、……と雑作はない、その塗ったのが、いきなり、欄干をまたいで出る奴さ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「誠に我儘者で致し方が有りません、何うか此の女の云う事はお気に留めぬ様に」といい更に余に向ってお浦を取り鎮めよと云わぬ許りの目配めくばせした
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
豎牛もまた横から杜洩に目配めくばせして、頭の惑乱した病者にはつくづく困り果てたという表情を見せる。
牛人 (新字新仮名) / 中島敦(著)
よきぞと竊に目配めくばせすれば赤川大膳藤井左京つゝと寄て次助佐助が後に立寄たちより突落つきおとせばあはれや兩人はすうぢやう谷底たにそこ眞逆樣まつさかさまに落入て微塵みぢんに碎けて死失たりまた常樂院は五人の者を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
するとモッフは、舷側げんそくもたれているガルールの連中をゆびさしながら、役人の方へ目配めくばせをして
「お話なら伺ひます。」と油井は迷惑して居る女中に目配めくばせして椅子へ掛けた。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
家令家扶堪えかね、目配めくばせして、「山本、熊田、其奴そやつたたけ。」と昔取りたる杵柄きねづかにて柔術やわらも少々心得たれば、や、と附入りて、えい、といいさま、一人を担いで見事に投げる。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
れど今は目配めくばせして倉子が心に疑を起さしむき時に非ず
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「妙も近頃は不可いけなくなったよ。奥方と目配めくばせをし合って、とかく銚子をこぎって不可いかん。第一酌をしないね。学校で、(お酌さん。)と云うそうだ。小児どもの癖に、相応に皮肉なことを云うもんだ。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
読者よ余の考えにては此点こそ最も大切の所なれば目科が充分に問詰るならんと思いしに彼れ意外にもたって問返さん様子なく余が目配めくばせするも知らぬ顔にて更に次の問題に移り「したが老人の殺されて居る所はうして見出した女 ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「赤熊。」と二人はささやいて、ちょっと目配めくばせ
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)