一等運轉手チーフメートいそがはしく後部甲板こうぶかんぱんはしつたが、たちま一令いちれいけると、一個いつこ信號水夫しんがうすゐふは、右手ゆんでたか白色球燈はくしよくきうとうかゝげて、左舷船尾さげんせんびの「デツキ」につた。
いまから二分にふん三分さんぷんまへまではたしか閃々せん/\空中くうちうんでつた難破信號なんぱしんがう火光ひかり何時いつにかせて、其處そこには海面かいめんよりすうしやくたか白色球燈はくしよくきうとうかゞやき、ふね右舷うげん左舷さげんぼしきところ緑燈りよくとう