“甘美”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんび40.9%
うま27.3%
あま4.5%
うまき4.5%
うるは4.5%
おい4.5%
おいし4.5%
かんみ4.5%
スイート4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言うに言われぬ甘美かんびなもの、いわば女性的なもの……に対する、半ば無意識な、はじらいがちの予感が、ひそんでいたのだった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
果物も培養の結果段々甘美うまいものが出で来るやうに成つたが、そのうち堅い果物が段々柔かくなつて来るといふのも一つの傾向である。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
薄鼠色の皮膚、心惹こころひくエキゾチシズムと蛇舞すねいくを踊る妖艶さと椰子ばあむしゅがあのごとき甘美あまさがある。
新種族ノラ (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
わづかに其地をれば味ひならず、その味ひ美なるものは北海より長江ちやうかうさかのぼりて困苦こんくしたるのにあたれるゆゑならん。うを急浪きふらう困苦くるしめば味ひかならず甘美うまきもの也。
斯程かほどしまだから、なに食物しよくもつこともあるまいと四方よも見渡みわたすと、はたして二三ちやうへだゝつた小高こだかをか中腹なかばに、一帶いつたい椰子やし、バナヽのはやしがあつて、甘美うるはしき果實くわじつえだ垂折しをれんばかりに成熟せいじゆくしてる。
若し生きてをられたらどんなに甘美おいしいジャムやコンポットが沢山に出来た事でせう! 而して母もこの野菜畑をどんなに喜ばれたでせう。
その中からチョコレートを出して、ゆき子は、腹這はらばつたまゝじつた。少しも甘美おいしくはなかつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
あらゆることをし尽した彼の前は、世にも甘美かんみなる犯罪の戦慄せんりつ丈けが残されていました
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「えッ、あの甘美スイートな流行歌を唄う、悩ましいレコード歌手かい」
音波の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)