片靨かたゑくぼ)” の例文
捨吉は端折をおろすと、男のくせに片靨かたゑくぼを見せて、まだ閉め切つた儘の奧へ入つて行きました。
くちにはへどむづかしかるべしとは十指じつしのさすところあはれや一日ひとひばかりのほどせもせたり片靨かたゑくぼあいらしかりしほうにくいたくちてしろきおもてはいとゞとほほどりかかる幾筋いくすぢ黒髪くろかみみどりもとみどりながらあぶらけもなきいた/\しさよわれならぬひとるとてもたれかは
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
莞爾につこりとすると又片靨かたゑくぼの寄る捨吉、極り惡さうに手を振つて見せるのは、子供は皆んな源助のだ——と言ふ意味でせう。それにしても、この男の美しさも尋常ではありません。
みじかしとくらこゝろ如何いかばかり長閑のどけかるらんころ落花らくくわの三ぐわつじんちればぞさそあさあらしにには吹雪ふゞきのしろたへ流石さすがそでさむからでてふうらの麗朗うら/\とせしあまあがり露椽先ぬれゑんさき飼猫かひねこのたまかるきて首玉くびたましぼばなゆるものは侍女こしもとのお八重やへとてとし優子ゆうこに一おとれどおとらずけぬ愛敬あいけう片靨かたゑくぼれゆゑする目元めもとのしほの莞爾につこりとして
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)