濟難すみがた)” の例文
落されあの印籠は大恩ある人より紀念かたみ同樣どうやうに貰ひし品なれば失ひては濟難すみがたし然りながら忘れて立しが此方のあやまちなれば是非もなしと悄然しほ/\として立れたり扨其後二日ほどすぎて右の印籠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取落し一里餘行て思出しあれは大切の品なれば紛失させては濟難すみがたし此處迄來りて取て返へすは太儀なれども印籠には代難かへがたしとて取て返し龜屋に至りみぎの由を云て尋ねけれども一向に知れず是非なく其處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
訴へる時には我々われ/\かく仲間なかましうへ二十兩出させたうへ又々番所ばんしよへ引出しては何分どくにて我等われら濟難すみがたきによりまづ内々ない/\詮鑿せんさくいたされよとは云ものゝ明日あしたはらひにこまらるべければ我等われら二百りやう用立ようたてんによりそれにて此節季このせつきすまさるべしもつとも此金は利分りぶんに及ばず御都合ごつがふ宜敷よろしきをり返濟へんさいなさるべしと金子二百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)