“歯(ば)” の例文
旧字:齒
こんど、とれてから、はじめて、堅(かた)いものでもほかの歯(は)でかめるので、入(い)れ歯(ば)の不(ふ)できであったことがわかったのでした。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
笑うと、ちょいと開いた唇の間から、真白な糸切(いとき)り歯(ば)がニッと出てくるのが、また何とも云えない程可愛らしく見えた。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は一つの包みを持ち、紺飛白(かすり)の着物に羽織も着ず、足袋(たび)もはかずに、ヒビの切れた足にほお歯(ば)の下駄(げた)をはいていた。
何(なん)と、丑(うし)の刻(とき)の咒詛(のろい)の女魔(にょま)は、一本歯(ば)の高下駄(たかげた)を穿(は)くと言うに、些(ち)ともの足りぬ。床几(しょうぎ)に立たせろ、引上げい。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)