“檐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
のき92.9%
ひさし4.3%
かつ1.4%
やぐら1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
紅き石竹せきちくや紫の桔梗ききょう一荷いっかかたげて売に来る、花売はなうりおやじの笠ののき旭日あさひの光かがやきて、乾きもあえぬ花の露あざやかに見らるるも嬉し。
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寒さはいつの間にかすこしゆるんで、のろいひさしの点滴の音が、をちこちで鳴き出したふくろうの声の鳴き尻をたたいてゐる。雨ではない。もやだ。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「どうれ、けえつて牛蒡ごぼうでもこせえべえ、明日あした天秤棒てんびんぼうかついで支障さはりにならあ」剽輕へうきん相手あひておもしたやうにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
玄関は向側むかうがわにあって細長い島の庭を見下みおろしている、二人の訪問者は低いやぐらの下に、ほとんど家の三方を縁どっている小径こみちについて廻って行ったのである。